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No Limits, No Control(=どこまでも意味なし!エヘッ) [映画]

連休1日目は有楽町へ、Limits of Controlという映画を観に行った。途中、睡魔に負けてついうとうとしてしまった。本当に退屈で、おもしろくなかった。しかし帰ってから気づいた。こいつはとんでもない映画やで!
なぜなら:
ストーリーは、表面上はじつにベタな殺し屋もの。ある殺し屋が、いろんな謎に遭遇しながら旅をし、最後には悪い奴を殺す。だがこれはいわゆるふつーの殺し屋映画とはまったくの別もの。なぜなら、劇中に登場するすべてのことがらに「答えがない」のだ。どういうことかというと、主人公の男はいっつもカフェで2つのエスプレッソを、2つの別々のカップで注文する。なぜか? 男は旅先で抽象的な助言をくれる謎めいた人たちと出会う。そのたびになにやら暗号が書かれた紙きれを手に入れるが、それをすぐに食べてしまう。なぜか? その紙きれはいつも同じボクサーの絵が描かれたマッチ箱に入っている。なぜ? 見張りがうようよいる悪のボスのアジトの地図を手に入れるが、即燃やす。にもかかわらず易々と侵入。悪のボスとの戦いは一瞬で終了。アクションシーンはなし。なんでよ? いま思えば他にも細かい謎が数えきれないほどたくさんある。とにかく、すべてが徹底的に思わせぶりで気がかり。どうなる?なんでなん?と観ている人は気になってキョトーン。最後のボスなんて、いかにも悪そうなことをそれらしく言うが、いったい彼が何をしでかしたのかさえわからない。しかし、それらの謎が明かされることは一切ない。ただのひとつも、である。複雑な伏線を張るだけ張ってほったらかしで終了。じらすだけじらしてさようなら。だから、多くの私のような「おもろい映画を観に来たひと」にはボーーーリングだったのだ。しかし、この映画のすごいところは、これらの愚行(この映画の場合は愚行ではないのだが)を、監督の意向でやっているということ。上のボールドにした単語はいかにも意味深だが、これらにはすべて、最初から意味なんぞないのだ。これらを気に留めてしまうということは、したり顔でスマートな探偵をきどり、謎を解こうと必死になっている私たちをバカにする監督の、まったくの思うつぼにはまったということだったのだ。この事実に気づいたときのスッキリ感は半端ではなかった。おもしろくなければないほど、すっきりして満ち足りた気分になれる映画なんて今まであっただろうか…長い文章な…

thelimitsofcontrol.jpg
とはいえ、これはあくまで私個人の意見なので、ほんとうはきちんと意味があって、すべてに答えが用意されているのかもしれないのだが。ネットでいろんな人の批評を読むと、「観客の想像力に挑戦」とか「いろんな解釈ができる」映画だという人が多く、http://www.ryokojin.co.jp/tabicine/limitsofcontrol.html←の解釈はすごく知的で賢いなーと思った。少なくとも「映像がスタイリッシュ」とか「スペインの景色が美しい」「俳優の存在感が素晴らしい」「音楽がやばい」(たしかにBorisはいいけど。サントラ買いました)とかのしょうもないオシャレ系映画では決してないと思う。

Limits of Control








私は単純な性格なので、ひとりで勝手に納得して大満足してしまったが、決しておすすめはしない。ただ、ブロークンフラワーズを観ておもしろいと思った人は絶対に観に行くべき。あの映画と同じかそれ以上の満足感が味わえる(BFも見終わったときは??だったのだが、あとでネットで検索しまくって、最後に車で走り去るアホっぽい若者がビル・マーレイの実の息子だとわかって目からウロコが落ちまくり、えも言われぬスッキリ感を味わった。いま思い出してもわくわくする)

続・睡眠の科学 [映画]


「睡眠恋愛のすすめ」を見た。ミシェル・ゴンドリーという人は、みんなの「そう、それそれ」を表現するのが本当にうまい。この作品、カラフルな見ためのキャッチーさや、最近流行してる東欧アニメ風のキッチュな手法とかで、ことさら「キュートでガーリィな恋愛映画」として売り出されるみたい。でもこれは30代男子こそ見るべき。子どもの頃いつも考えてたような、いま思うと恥ずかしくて赤面もののおバカな妄想が次々と映像化されてゆく。妙な既視感の連続。ずっとエロいことばっかり言ってるヤツとか、いつも抑制されているもうひとりの自分を見てるみたいでちょっと気恥ずかしくなったりして。おすすめです。


睡眠の科学 [映画]


●3Dメガネ
何でも立体的に見える

●1秒タイムマシン
1秒だけ過去に戻れる
1秒だけ未来に行ける

ユーモアのある顧客にならウケます

ミッシェルゴンドリー監督の新作『恋愛睡眠のすすめ』で、主人公が提案する発明品の数々。
むう、やはりこの人は天才だ。夢の中で「おれって天才!」って思うくらい素敵なアイデアがひらめくことがあるけれど、目が覚めて思い返すと恥ずかしいほど詰まらないこと、よくある。しかし、ここまで下らなくて立ち優れたもの普通考えつくか?フランス映画祭楽しみだなあ。


銀河ヒッチハイク・ガイド [映画]


ブラーのコーヒー&TV(*1)やスーパーグラスのパンピング・オン・ユア・ステレオなどのプロモビデオを手がけたガース・ジェニングスによる初の長編映画だ。宇宙のバイパス建設のために地球が取り壊され、生き残った主人公が地球誕生のルーツを探るために宇宙を旅するという話。原作はかなりシュールなSFコメディで、筋は単純だが、モンティパイソン的なお笑いが満載でぼくのような庶民には理解しにくい部分も多い。
だがこの監督が作る映像は素晴らしい。もろCGの宇宙船とか、昔のスターウォーズに出てたようなチープな特殊メイクの宇宙人とか、もう大好きである。コーヒー&TVの牛乳パック人間やファットボーイスリムのライト・ヒア・ライト・ナウに登場する「進化する生き物」など、CGアニメーション専門学校的な一生懸命かっこつけてるのにどうしてもイモくなってしまう感じ。そのテイストがそのまま2時間に引き伸ばされてるような。このどん臭さはくせになる。
くじらや植木鉢が落下するシーンがきれいで、ベックのロスト・コーズ(*2)を思い出した。この人の作品では、落下するものはすべて地面に叩きつけられて粉々になる。どこからかともなくスパイダーマンがやってきて救ってくれたりはしない。当たり前だ。それでいいのだ。

*1 http://theonenetwork.com/playvideo.asp?speed=300&type=music&videoid=blur4
*2 http://www.beck.com/media/index.php?id=00001

銀河ヒッチハイク・ガイド

銀河ヒッチハイク・ガイド

  • 出版社/メーカー: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
  • 発売日: 2006/03/17
  • メディア: DVD


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